1999/08/18 東映第1試写室
高杉良の経済小説を『バウンス ko GALS』の原田眞人監督が映画化。
サラリーマンをしばる「呪縛」に切り込み不足では? by K. Hattori
原田眞人監督の『KAMIKAZE TAXI』と『バウンス ko GALS』は、主人公の個人的視点に観客を同化させながら、現代社会の暗部や矛盾に鋭く切り込んで行く傑作だ。その原田監督が、高杉良の経済小説をメジャーの東映で映画化した。総会屋と癒着する銀行から、裏社会に流れた巨額の不正融資。バブルが崩壊したことで、巧妙に隠されていたはずの黒いパイプが、不良債権として表面に浮き上がってくる。これをバブル精算の好機として動き出す検察。危機意識のなかった銀行上層部は一夜にしてパニックに陥り、銀行内部はガタガタ。そんな中で、危機感を持ったミドル世代が再建のために走り出す。日本経済の動脈とも言える銀行をしばる、裏社会の「呪縛」とは何なのか。わずか数人の力で、銀行という巨大組織を再建することができるのだろうか?