ボクらはいつも恋してる!
金枝玉葉2

1998/10/23 ユニジャパン試写室
『君さえいれば/金枝玉葉』のラストシーンから始まる続編。
恋はどうやったら愛に変わるかがテーマ。by K. Hattori


 アニタ・ユンが大ブレイクした『君さえいれば/金枝玉葉』の続編。前作は主人公ウィンとサムのキスシーンで終わり、今回はそれと同じキスシーンから物語が始まる。前作のお尻が続編の頭にある構成は、『ロッキー』と『ロッキー2』の関係を思い出させます。前作の登場人物もほとんどそのまま再登場するので、この映画を観る前に、もう一度『君さえいれば/金枝玉葉』を観ておいた方がいいかもしれない。クライマックスでは前作の1シーンを引用している部分もあって、そこが結構泣かせます。内容的には『君さえいれば/金枝玉葉』というより、同じ監督の『ラブソング』に近いテイストだと思うのですが、最後は一気に前作の感動がよみがえってしまった。中盤はちょっとダレ気味だったんですが、最後に前作のシーンがカットバックで挿入されたときは、不覚にもホロリときてしまったよ。

 出演者がすごく豪華。主人公ウィンを演じるのはアニタ・ユン。その恋人サムを演じているのはレスリー・チャン。ウィンの友人ユーロウを演じているのが陳小春で、サムの友人アンティを演じているのがエリック・ツァン。このメインキャストだけでも、香港のオールスターが勢揃いです。カリーナ・ラウが演じていたサムの元恋人ローズも、今回の映画に少しだけ出演。そして今回のメインゲストは、アニタ・ムイ演じる往年の大スター、フォンと、テレサ・リーが演じているフォンの同居人オー。これに加えて、アンディ・ホイ、エドモンド・リョン、エミール・チョウ、チャン・ホーなどがゲスト出演しています。香港映画ファンにはヨダレもんの出演陣。

 この映画は2年前に完成していたものの、どういうわけか日本での公開が延び延びになり、同時期に製作されていた『ラブソング』に比べると、ずいぶんと後回しになってしまった印象。前作に比べると必ずしもハッピーなラブストーリーではないので、その点が敬遠されたのだろうか……。普通の恋愛映画が「恋の成就」をゴールに設定しているのに対し(『君さえいれば/金枝玉葉』もそうだった)、この映画は「恋が成就した後の諸問題」をテーマにしている。愛し合う者同士が離れていれば、互いに結ばれたいという想いが高じて盛り上がる恋愛感情も、一度結ばれてしまった後は目的を失って低迷してしまう。成就した「恋」をどう持続して、揺るぎない「愛」に昇華して行くべきか。恋愛関係の中で誰もがぶちあたるそんな悩みに、この映画の主人公たちもぶちあたるのです。ものすごく切実な映画なんだよね。

 ウィンを自分の部屋に招いたものの、自分のペースがかき乱されてイライラしてしまうサムの気持ちは、僕にはよくわかる。運び込まれた荷物の量に唖然とする気持ちも、すごくわかってしまうんだよね。いっそのこと別居しようと考えるサムに、僕は感情移入してしまいました。映画はこの序盤が面白くて、中盤以降はやや強引に物語を進めている気がしますが、ラストシーンが面白かったからそれなりに満足できます。

(原題:金枝玉葉2/Who's the woman, Who's the man)


ホームページ
ホームページへ