ブロンディー
女銀行強盗

1993/10/28
キム・ベイシンガーとヴァル・キルマーのコンビがいい。
ラッセル・マルケイ監督独自の映像美に酔う。by K. Hattori



 たった今、観てきたばかり。シマッタ。この映画の最大の欠点を、先にバサラさんに指摘されてしまった。(ぐやじ〜〜〜)ようするに昔の亭主と再会するシーンで、ほんの1行か2行の台詞があればそれでコト足りるんですけどねぇ。なんだか割り切れないものを感じるなぁ。

 確かにスマートな映画なんだけど、もう少し派手な作りにしたほうが面白かったような気もします。キム・ベイシンガーのかっこよさは光っていたけど、そのほかの人物のプロフェッショナルぶりがもう少し見たかったなぁ。敵役テレンス・スタンプの背景説明や、彼女が捕まったときに彼がどのような手を回したのかも全く説明がなかった。それだけに、彼女があそこまで彼を憎む気持に、素直に感情移入しかねるんだよね。これなんかもやっぱり、ほんの一言二言の台詞で用が足りると思うんだけど……。

 ラストのオチは、日本では絶対に考えられないですよね。きっと映画製作者の誰かが、どこかで同じような目に会ったんだろうなぁ……。こんな細かな所に、小さなカルチャーショックを受ける僕です。でもね、でもね。これだってその前のシーンのサスペンスが今ひとつ盛り上がらないから、きっと何かが起こることを期待して、観客は身構えてるんだよなぁ。

 充分面白い映画だっただけに、さらにもうひとヒネリを期待してしまうんだけどサ。

 そうそう。細かいシーンで可笑しかったのは、肝心なところで故障する亭主の車がTOYOTAだったり、ヴァル・キルマーのJTが「アメリカ車が最高だ!」と声高に主張したり、JTの部屋にあったVCRを見た主人公が「なんで今ごろベータなの?」と聞いたりするトコ。こんな何でもないシーンばかりが、なぜだかやたらと気になる映画でもありました。

 この監督は『リコシェ』や『ハイランダー2』の監督かしら? (これまたうろ覚えの記憶で書いているので、違ったら恥ずかしいなぁ。)実は僕、『ハイランダー2』のバカバカしさがいたく気に入ってたりします。

 P.S.
 どうでもいいけど、これってオリジナルのタイトルが "The Real McCoy" ですよねぇ。(この辺りって、うろ覚えですけど……。)なんでそれが『ブロンディー』になってしまうのだろうか……。許せないのは、前売りの切符にもオリジナルタイトルの表示がなく、それらしく"BLONDEE"なんて刷り込んであることなんだよな〜。



ホームページ
ホームページへ