サイドカーレースでコンビを組む十文字撃と大熊遠矢は、子供の頃からの親友同士であると同時に、互いに切磋琢磨し合う終生のライバルでもある。彼らを見守るのは、撃の幼なじみで遠矢の恋人でもある河井衣月。だが宇宙飛行士として火星探査ミッションに参加した撃と遠矢は、原因不明の事故で行方不明となり姿を消してしまう。それから１年後。宇宙物理学研究開発機構SARDを謎の怪人が襲い、研究員の衣月が拉致されそうになる。それを阻止したのは、宇宙刑事ギャバンを名乗る仮面のヒーロー。彼の正体こそ、１年前に火星付近で姿を消した十文字撃だった。事故で宇宙に投げ出された撃は銀河連邦警察に救出され、その後１年の訓練を経て地球に戻ってきたのだ。
ギャバンの使命は、宇宙犯罪組織マクーの首領ドン・ホラーの復活を阻止すること。マクーの指揮を執る騎士ブライトンは、SARDが研究するワームホールの理論を使ってドン・ホラーを復活させようとしているのだ。衣月はドン・ホラーを受け入れる器として選ばれた。だが撃の奮戦も虚しくデータは盗み出され、衣月はブライトンの手に落ちる。打ちひしがれる撃の前に現れたのは、伝説の宇宙刑事、初代ギャバンの一条寺烈だった。「戦うために真実と向かい合う勇気が必要だ！」という烈の励ましを受け、撃は再び戦う気力を取り戻した。
撃が向き合わねばならない真実。それは宿敵ブライトンの正体が、親友の遠矢だという現実だ。遠矢は事故で宇宙に投げ出された際、孤独と恐怖で錯乱状態になり、ドン・ホラーの意識を受け入れてしまったのだ。彼の意識は乗っ取られ、実際に起きた出来事すら彼の心の中で大きく歪められている。自分を裏切り生き延びた撃を許すな。恋人だった衣月は、ドン・ホラーへの高貴な生贄として捧げるのだ。「遠矢、目を覚ませ！」という撃の必死の呼びかけにも応えず、撃に向かって攻撃を繰り返す遠矢。ドン・ホラーの復活プログラムが始動し、もはや猶予はない。「遠矢！！」という撃の悲痛な叫びと共に遠矢は倒される。ドン・ホラーにとって、大熊遠矢もまた小さな捨て駒に過ぎなかったのだ。
深い傷を負いながら、遠矢は本来の意識を取り戻す。「復活を食い止め、衣月を救えるのは俺しかいない」。遠矢と撃は最後に力を合わせて、ドン・ホラーの復活を阻止することに成功する。解放された衣月の腕に抱かれて静かに横たわる遠矢。「撃、約束通り衣月を守ってくれたな」「なに言ってるんだ、お前の助けがなかったら俺は……」「いや、俺は弱い人間だった。撃、今度こそ本当にお別れだ。衣月、最後に大熊遠矢として君の顔を見られて、俺は本当に幸せだったよ」「遠矢！死ぬな！！」。遠矢はかすかに笑顔を浮かべながら、恋人と親友に見守られながら息を引き取るのだった。
以上、勝手にアレンジした『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』のあらすじでした。
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