ブリジット・ジョーンズの日記

きれそうなわたしの12か月

2005/3/21 錦糸町シネマ8楽天地(シネマ2)
レニー・ゼルウィガー主演の大ヒット作に待望の続編。
懐かしい顔ぶれとハッピーエンドが嬉しい。by K. Hattori

 リアルな30代独身女性の心理と行動を綴り、世界的な大ヒットとなった『ブリジット・ジョーンズの日記』の続編。前作で役作りのためたっぷり太ってみせたレニー・ゼルウィガーが、今度もしっかり太っているのはご立派。もともと太った女優をキャスティングすればこんな苦労はなかったろうに……。

 前作から3年たっての続編だが、映画の中では前作のエンディングからたった7週間ばかりが過ぎたところという設定。人権派弁護士のマーク・ダーシーという素敵な恋人との生活に有頂天となり、次はいよいよ結婚かと心ときめかせているブリジットだが、思うほどとんとん拍子に物事は進まない。若くて美人の恋のライバルが出現したと知って色めき立ち、焼きもちを焼いてヒステリーを起こしたかと思えば、彼の仕事関係者の前でヘマをやって自己嫌悪に陥ったりする。そうこうするうちに、ブリジットとマークは些細なことで大喧嘩。なかなか仲直りできないブリジットの前に、女たらしの元彼ダニエルが現れて再び彼女にちょっかいを出し始めるのだった……。

 前作に比べて物語のスケールがずっと大きくなり、平凡なOLの日常を等身大で描いた面白さから、むしろ彼女を取り巻く奇抜なシチュエーションの面白さに軸足を移している印象を受ける。政治信条としてはちょっと左寄りの冴えないOLが、政府高官や海外要人とも仕事をする高名な弁護士と恋人同士になるという取り合わせの奇抜さ。前作は「意外な組み合わせのカップルが成立してめでたしめでたし」で終わってしまえばよかったわけだが、今回は生活スタイルがまったく違うふたりが、いかにして関係を深めていくかを描写していかねばならない。そこで起きる事件の数々は、どうしても我々の日常からは離れたものになってしまう。

 前作と変わらないのは主人公ブリジットのキャラクターだけ。「誰からも好かれるブリジット」というキャラクターをさらに前に押し出した結果、太っちょで冴えないはずのブリジットが、前作以上のモテモテ女になってしまった。登場する男たちは全員がブリジットを好きになり、登場する女たちも全員がブリジットを好きになる。こうしてますます、映画は我々の日常から離れたものになっていく。

 ただ物語の規模拡大やコンセプト変更は続編の宿命。前作『ブリジット・ジョーンズの日記』でヒロインが大好きになった人は、その後の彼女の姿を見られただけで大満足なはず。僕もクライマックスで彼女が見せる百点満天の笑顔を観て、ついニコニコしてしまいました。映画としてのデキは前作よりだいぶ劣るものの、前作を観た人にとっては嬉しいプレゼントとなっている作品なのです。

 続編映画の多くは同窓会のようなもの。懐かしい顔が出揃えば、それで満足すべきことなのでしょう。この映画も「同窓会」としては、そこそこ楽しいものになっています。

(原題:Bridget Jones: The Edge of Reason)

3月19日公開予定 日劇1ほか全国東宝洋画系
配給:UIP
2004年|1時間47分|イギリス、フランス、ドイツ、アイルランド、アメリカ|カラー|DTS、Dolby Digital、SDDS
関連ホームページ:http://www.bj-diary.jp/
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