ハロウィン:レザレクション

2002/10/10 アミューズピクチャーズ試写室
『ハロウィン』シリーズの最新作は『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』風味。
監督は2作目『ブギーマン』のリック・ローゼンタール。by K. Hattori

 連続殺人鬼マイケル・マイヤーズ(ブギーマン)が登場する『ハロウィン』シリーズの最新作。ジョン・カーペンター監督の出世作となった第1作目から24年、8作目となる作品だ。今回の監督はシリーズ第2作『ブギーマン』を撮ったリック・ローゼンタール。出演者の中にはシリーズ1,2作と前作『ハロウィンH20』に出演したジェイミー・リー・カーティスがいるが、今回はプロローグ部分に登場するのみのゲスト扱い。でも、カーペンター作曲のテーマ曲が流れてカーティスが出演すると、それだけでこれが紛れもなく『ハロウィン』シリーズになってしまうのだから、まぁこれはこれで……。

 インターネットを使った放送事業で一儲けを企む事業家フレディは、ハロウィンの夜の特別企画として、大学生グループが有名な殺人鬼の家で一晩を過ごすという番組を企画する。集められた学生は6人。訪問先に選ばれたのは、今は廃墟となっているマイケル・マイヤーズの家だ。家の中に多数仕掛けられた固定カメラと、メンバーが装着した小型カメラによって、家の内部の様子はインターネットに生中継される。家の出入り口は封鎖され、朝になるまで誰も外に逃げ出すことはできない。それは大がかりなハイテク装置を使った、一種の肝試し大会になるはずだった。だが家の中には6人以外にもうひとりの人影が現れる。殺人鬼のマイケルが本当に現れたのだ……。

 この映画のミソは、サスペンスシーンの多くが定点のビデオカメラや、一人称の小型ビデオカメラで撮影されていること。定点ビデオは監視カメラ風の映像になるのだが、こうした映像は観客の心を何となくざわつかせる。ジョディ・フォスター主演の『パニック・ルーム』は、まさにそうした映画だった。そして一人称の小型ビデオカメラは、あの『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の再来だ。登場人物たちが小型ビデオを持って現場に入り込むとか、カメラに向かってその時々の心情を告白するというスタイルを、この映画は『ブレア・ウィッチ〜』からまるまる継承している。

 こうしたホラー映画の恐さは、暗闇に潜む危険な何者かが、どんなに目を凝らしても見えそうで見えないところにある。この映画の場合、廃屋の中の暗闇に何が潜んでいるのか見えにくいことに加え、ビデオカメラの粗い映像のせいで、さらに暗部がつぶれて何も見えなくなる。手が届きそうな距離に確かに何かがあるのに、それが見えそうで見えないもどかしさ。

 カーペンターのテーマ曲やジェイミー・リー・カーティスのゲスト出演に加え、今回は1作目の舞台ともなった家が再び舞台になっていることもあって、全体に24年前のオリジナル版『ハロウィン』へのオマージュめいた作品になっている。ヒロインがクローゼットに閉込められるシーンなどには、特にそれが強く感じられる。

(原題:HALLOWEEN RESURRECTION)

2002年11月2日公開予定 シネマメディアージュ
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
(2001年|1時間34分|アメリカ)
ホームページ:http://www.gaga.ne.jp/halloween/

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