スチュアート・リトル2

2002/07/04 ソニー・ピクチャーズ試写室
小さな白いネズミのスチュアートにガールフレンドができた。
今回は摩天楼を舞台にした大冒険活劇だ。by K. Hattori

 人間の言葉を話す小さなネズミ、スチュアートの活躍を描く『スチュアート・リトル』の続編。僕は前作を子供だましで大人の鑑賞には堪えない映画だと思っているのだが、今回の映画はじつに面白く観ることができた。違いは何だろうか。直前に小学生のドッチボール映画『ドッジGO!GO!』を観て、すっかり頭の仲間でお子様モードになっていたのがよかったのか。あるいは映画自体のできが、今回の方が一枚も二枚も上手だったのか。おそらく両方だろうけれど、たぶん後者の理由がかなり大きな割合を占めているように思う。

 映画序盤にあるスチュアートとリトル家の人々のエピソードは、前作同様のお子様映画そのものだと思う。このくだりを観て「またかよ」と思っていた僕だが、スチュアートの運転する車にカナリアのマーガロが飛び込んでくるあたりから物語がうまく転がりはじめる。鷹のファルコンに追いかけられ傷ついていたマーガロは、スチュアート家に迎え入れられて傷の手当てをすることになる。友だちのいなかったスチュアートは、この新しいガールフレンドに夢中。だがマーガロがリトル家に来た事情には、スチュアートの知らない裏があった。

 ネズミのスチュアートがリトル家に受け入れられて「スチュアート・リトル」になるまでの話が前作だったとすれば、今回の映画は最初からスチュアートがリトル家のかけがえのない一員として登場する。パパやママのスチュアートを見る視線は、実の息子ジョージや生まれたばかりのマーサに対するのと同じ愛情にあふれたもの。最初からこうもぬけぬけと仲良しのリトル家を押し出されてしまうと、「なんで人間がネズミと家族になるんだよ〜」という疑問など吹き飛ばされてしまう。いい映画にはこうした図々しさが必要なのだ。

 今回の映画でもっとも優れているのは、新キャラであるマーガロとファルコンのキャラクターと、3次元空間を自由自在に移動していくカメラワーク。スチュアートはネズミをかなり人間に近いスタイルにまで擬人化しているのだが、マーガロとファルコンは基本的に鳥そのもの。その仕草や飛び立つときの姿まで巧みに実物の鳥を模しながら、同時に人間くさい性格付けを加味するという難しい仕事に、この映画のスタッフは成功していると思う。特にマーガロの可愛らしさ! 声を担当しているのはメラニー・グリフィス。小さなカナリアのくせに、声が妙に艶っぽくてチャーミングなのはそのせいか。前作では極度に地表に接近したミクロの視点からの画面が多かったのだが、今回はマーガロやファルコンという鳥が登場したことで、視点は高層ビルを見下ろす数百メートル上空まで拡大している。この空間表現は素晴らしい。

 監督は前作に引き続きロブ・ミンコフ。ジーナ・デイビスや声の出演をしたマイケル・J・フォックスなど、前作の出演者も再登場。次回作にも大いに期待できる映画でした。

(原題:Stuart Little 2)

2002年7月20日公開予定 日劇3他・全国東宝洋画系
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 宣伝:ドラゴンキッカー
(2002年|1時間18分|アメリカ)

ホームページ:http://www.sl2.jp/

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サントラCD:スチュアート・リトル2
前作DVD:スチュアート・リトル
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