バイオハザード

2002/06/26 アミューズピクチャーズ試写室
人気ゲームの映画版はミラ・ジョヴォヴィッチ主演のアクション映画。
監督は『イベント・ホライゾン』のポール・アンダーソン。by K. Hattori

 同名の人気TVゲームを、『ソルジャー』のポール・アンダーソン監督が映画化。ただし映画はゲームの内容をただ実写化したわけではなく、ゲームに登場する世界がなぜ生み出されたのかを映画化したものなのだそうだ。このあたりは、ゲームに縁遠い僕にはよくわからない。ゲームからは舞台となる設定だけを借りて、登場人物やストーリーは映画のオリジナルになっているらしい。

 世界的な製薬会社アンブレラ社が秘密の地下研究施設で作り上げたウィルスが、何者かによって施設内にばらまかれた。汚染を察知した施設のメイン・コンピュータは、直ちに全通路を完全ロックして汚染を研究所外部に漏らさない体勢を作り上げた上で、施設内すべての人間と生物を水とハロンガスで死滅させてしまう。アンブレラ社は特殊部隊に施設のロック解除を命じるが……。

 この映画のアイデアは主人公を記憶喪失にしたこと。こうすることで、観客は映画に登場する世界について、主人公と同じように少しずつ学習していくことになる。主人公アリスを演じているのは、『フィフス・エレメント』『ジャンヌ・ダルク』のミラ・ジョヴォヴィッチ。何かとヌードシーンを披露する彼女は、今回も登場シーンからフルヌード。その後も肝心なところが見えそうで見えず、見えなさそうでじつは丸見えという露出度でアクション全開! 彼女を映画の中の紅一点にするのではなく、『ガール・ファイト』や『ワイルド・スピード』のミシェル・ロドリゲスとのダブル・ヒロインにしているのもよい。ただしロドリゲスにはヌードシーンなし。彼女はアクション専門で、ジョヴォヴィッチはアクションとお色気の両面作戦。

 ポール・アンダーソン監督はゲーム映画『モータル・コンバット』が出世作だし、SF仕立てのお化け屋敷映画『イベント・ホライゾン』という映画も作っている。今回の『バイオハザード』はこうしたアンダーソン監督の持ち味が十二分に発揮された企画と言えるだろう。映画の中には過去のいろいろなSFホラー映画からのパクリも多い。そもそも怪物たちの巣に入り込んだ特殊部隊が命からがら脱出をはかるという話は『エイリアン2』だし、アンデッドの設定は丸ごとロメロの『ゾンビ』シリーズだし、人間がレーザーでサイの目に切り刻まれるシーンは『CUBE』だし……と枚挙にいとまがない。たぶんこのジャンルに詳しい人なら、指折り数えて両手では間に合わないぐらいのアイデア借用例が見つかるのではないだろうか。

 ただしこうして借りてきたエピソードがバラバラにならず、ひとつにまとまっているのは、この映画に明確な世界観があるからだろう。これは原作にあるものかもしれないが、それをきちんと映画用の絵に仕立て上げたアンダーソン監督の腕前も立派なものだ。絵空事のストーリーも、地に足のついた絵作りのおかげでリアルに見えてくる。

(原題:RESIDENT EVIL)

2002年8月下旬公開予定 丸の内ピカデリー2他・全国松竹東急系
配給・問い合せ:アミューズピクチャーズ
(2002年|1時間41分|アメリカ、ドイツ、イギリス)

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