ウルトラマンコスモス2
THE BLUE PLANET

2002/06/25 松竹試写室
テレビ版の後日談に相当する劇場版ウルトラマンコスモス。
杉浦太陽が主演している幻バージョン? by K. Hattori

 主演俳優の杉浦太陽が傷害と恐喝容疑で逮捕され、公開が危ぶまれていた夏休み映画だが、結局は再編集と追加撮影をして予定通り公開されることが決まった。今回試写で上映されたのはその再編集と追加撮影をする前の「杉浦太陽主演バージョン」。杉浦太陽の逮捕について所属事務所は「被害者側の詐欺告訴であり、逮捕は不当なものだ」と主張しているけれど、本当のところはよくわからない。いずれどこかで、結論は出ると思う。いずれにせよ2年前に起きたという事件で1年以上前に告訴されたものが、今この段階で逮捕されてしまうとは悪いタイミングだった。既にテレビ放送は中断して総集編が放送されているというし、仮に罪が濡れ衣だったとしても、このままでは8月の公開で杉浦太陽主演版の映画が公開されるかどうかは微妙。ひょっとするとこの試写で回っている映画は、「幻の杉浦主演バージョン」になってしまうかもしれない。

 映画は15分の短編『劇場版・新世紀ウルトラマン伝説』との併映。じつは僕個人としては、この短編の方が圧倒的に面白かった。初代ウルトラマンからコスモスまで、歴代のウルトラヒーロー28人(脇役で出演したものやアニメ版も含めてのことらしい)の名場面をピックアップし、軽快な音楽に合わせて編集したもの。テレビでウルトラマンを見ていた親子が紙飛行機に乗ってウルトラマンの世界に迷い込み、怪獣退治に協力しながらやがてもとの世界に戻ってくるのだが……というストーリーは他愛ないが、「ウルトラマンは世代を越えたヒーロー」というコンセプトは明快だ。

 僕自身はウルトラマン(再放送)からウルトラセブン、帰ってきたウルトラマン、ウルトラマンタロウかウルトラマンレオあたりまでは現役でテレビを見ていた世代なので、この短編でセブンや帰ってきたウルトラマンの勇姿が大画面に登場すると、それだけで懐かしくて嬉しくて、ちょっと涙が出てきた。これは子供を連れて映画館に来たお父さんたちへの、ささやかなプレゼントといったところだろう。各ウルトラマンの登場シーンでは音楽がテーマ曲をアレンジしたものに変わり、場面と場面の合間には各番組のオープニングタイトルやウルトラマンの登場シーンが挿入されるというのも嬉しい。ウルトラマンたちが音楽に合わせて踊るというのもびっくり仰天だが、このバカバカしさもまた、この15分の短編には似つかわしいかもしれない。最後は空き地でウルトラマンや子供たちやお父さんお母さんも一緒に踊る。なんという映画だ!

 肝心の『ウルトラマンコスモス2/THE BLUE PLANET』自体は、この『ウルトラマン伝説』に比べると影が薄い。敵の怪獣が暗闇の中からコスモスとジャスティスに襲いかかるシーンは面白かったが、物語自体がやたらと明るいことが、僕のような古いウルトラマン世代には物足りない原因なのかも。

2002年8月3日公開予定 全国松竹東急系
配給:松竹
(2002年|1時間15分+15分|日本)

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