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サクラ大戦
Sakura Wars The Movie
(併映:『スレイヤーズぷれみあむ』)

2001/11/30 東映第1試写室
人気ゲーム「サクラ大戦」シリーズの劇場オリジナル版。
併映の『スレイヤーズ』の方が面白いけどね。by K. Hattori

 セガサターンやドリームキャスト、最近はPC版も出ているという、人気ゲームシリーズ「サクラ大戦」の劇場映画版。もともとゲームから派生した小説やOVA、テレビアニメなどもあったので、その世界観をそっくりそのまま劇場版に拡大したものだと思われる。「思われる」と書くのは、僕が原作のゲームもアニメも知らないからなんだけど、まぁそんなもの知らなくたって、面白いものは面白いわけでして……。物語の世界観としては、帝都物語+スチームパンク+美少女アニメ+ロボット+ミュージカルで、かなり欲張りな内容なのだ。

 太正15年12月。クリスマスシーズンを迎えた帝都東京が舞台。アメリカの軍需企業ダグラス・スチュアート(DS)社が日本政府に売り込んできた無人蒸気甲冑ヤフキエルの活躍によって、帝国華撃団花組のメンバーたちは帝都防衛の任務から外されてしまう。だがこれはDS社による陰謀だった……。

 ひょっとしたらゲーム版やアニメ版のファンには不満のない映画なのかもしれないけれど、僕はこれを少し変な映画だと思った。物語の流れにあちこちで飛躍があり、まるで長めの上映時間を無理矢理に縮めたような編集なのだ。ひょっとしたらこの映画、本来はもっと長い作品として作られているものを、長短合わせて4本立てという興行の都合に合わせて短く切っているのかな。ついついそんな詮索をさせるような、不自然な映画です。

 原作や他のアニメを知らないので、各キャラクターの設定などについては不案内なのだが、この劇場版で初登場となるラチェット・アルタイルという人物にも魅力が感じられない。ロボット同士の戦闘シーンも、あまり面白くないのは怪訝。いつもこんな感じなんだろうか。目玉のひとつであるミュージカルシーンも、もうちょっと別の演出があっていいと思うけど。特に最後の最後の舞台は、あれはいったいどんな意味があるのかなぁ……。

 同時上映は角川アニメの定番『スレイヤーズ』シリーズの最新作『スレイヤーズぷれみあむ』。これは面白かった。ある港町で名物のタコ料理を食べた人たちが、タコの呪いで次々にタコ語しか喋れなくなる。これはかつて海に沈められた魔族の陰謀。呪いはタコを食べていない人たちの間にも広がっていく。ヒロインのリナもこの事件に巻き込まれていくが、いざというときにタコ語しか喋れなくなり魔法の呪文が使えなくなってしまう。

 このシリーズは魔導士修行の旅を続ける主人公リナと、ライバルであるナーガのドタバタを中心に続けられてきたのだが、今回は原作に登場するリナゆかりのキャラを総動員するかわりにナーガの姿が見当たらない。これはこれで楽しいんだけど、やっぱりナーガがいない『スレイヤーズ』シリーズなんて、(例えが古くて恐縮だが)クリープを入れないコーヒーみたいじゃないか! と思っていたら……。あとは観てのお楽しみ。

 同時上映はあと2本。短編の『あずまんが大王』と『デ・ジ・キャラット/星の旅』が併映される。

2001年12月22日公開予定 全国東映系
配給:東映

(上映時間:『サクラ大戦』1時間25分 『スレイヤーズぷれみあむ』30分)

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