DEAD OR ALIVE FINAL

2001/11/07 東映第1試写室
三池崇史監督、竹内力&哀川翔主演の『DOA』シリーズ完結編。
オール香港ロケのSFカンフーアクション映画。by K. Hattori

 三池崇史監督が竹内力&哀川翔と組んで放つ、『DEAD OR ALIVE』シリーズ第3弾にして完結編。第1作目から観る者を驚かせ続けたこのシリーズも、3作目にしていよいよ打ち止め。今回も1作目に勝るとも劣らないアッと驚くエンディングがあって、僕は再びイスからズッコケそうになった。何しろ今回は、最初の設定からしてぶっ飛んでいる。1,2作は現代が舞台だったが、今回は24世紀の日本を舞台にしたSFです。

 西暦2346年。増えすぎた人類は一度絶滅寸前にまで追い込まれるが、再び廃墟の中から立ち上がりつつあった。一部の都市では強大な権力者が、市民に生活を保障する引き替えに殺傷与奪の全権を委ねられていた。横浜を牛耳っているのはウーという男。彼は人口調整のため全市民に不妊薬を配布し、この規制に違反する者は容赦なく都市の外にある荒れ地へと追放していた。この取締の陣頭指揮を執っていたホンダ刑事は、ある日町で、旧時代のレプリカントが生き残っているのを発見する。警官に追われたレプリカントのリョウは、反政府ゲリラのアジトに逃げ込んだ。ゲリラたちは政府に捕らえられた仲間を助けるため、ウーの誘拐を計画するが……。

 戦闘用レプリカントのリョウを哀川翔が演じ、それを追うホンダを竹内力が演じている。今回はすべて香港でのロケ撮影。どう見ても香港という風景に「横浜」というテロップを出す手法は『漂流街』と同じ。リドリー・スコットなら香港の町並みを参考にしてスタジオに似て非なるセットを作るが、三池崇史はそのまんま香港なのだ。まあ3世紀半も先の未来、しかも一度滅んだ後再生された世界だから、そこがたまたま現実の香港にそっくりだろうと、話している言葉がたまたま広東語と日本語のチャンポンだろうと気にしないのだ。今回はメインスタッフ以外の多くを香港人スタッフで固め、出演者もほとんどが現地の俳優。反政府ゲリラのリーダー、フォンを演じているのは『漂流街』にも出演していたテレンス・イン。その恋人ジュンに『カラー・オブ・ペイン オオカミ』のジョシー・ホーが扮している。

 見どころは香港流のカンフーアクションを披露する竹内力と哀川翔だが、今回はそれにデジタル処理やCGを加えて、アクションシーンはすべてが『マトリックス』ばりの映像になっている。物語は「レプリカント」という言葉が出てくるぐらいだから、かなり『ブレードランナー』を意識している様子。さらにディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」の要素が加味されて、設定自体はちゃんとしたSFハードボイルドになっている。ただしそこは三池監督だから種明かしは『ブレードランナー』ではなく『エクソシスト』風になるし、最後の最後にそれまで積み上げた一切の設定がすべて粉砕されて、驚天動地のエンディングに突入してしまうのだ。

 クランクインが2001年6月13日で、クランクアップが同7月8日。1ヶ月かけずに作り上げたお祭り騒ぎのような映画。安っぽさも、また味であろう。

2002年正月第2弾公開予定 シネ・アミューズ
配給:大映

(上映時間:1時間30分)

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