トイ・ストーリー2

2000/02/10 ブエナビスタ試写室
大ヒット作『トイ・ストーリー』の続編は、前作以上に笑えるし泣ける!
パロディ・シーンも満載で映画ファンは必見です。by K. Hattori


 ピクサー&ディズニーの長編CGアニメ『トイ・ストーリー』の続編。今回は前作以上にスゴイ。CG技術が大幅に進歩して、画面の質感がものすごくリアルになっている。キャラクターのデザインなどは前作とのつながりがあるため“格段の進歩”にはあえて見えないようにしてあるそうですが、それを取り囲む実景シーンなど、時々「これは実写で撮ってCGのキャラと合成しているんじゃないの?」と思わせるほど臨場感がある。『トイ・ストーリー』から『バグズ・ライフ』に至る時点でかなりの進歩があったわけですが、今回の進歩はその延長上にある。しかし僕が感心したのは、この映画の製作者たちが画面の中に適度のCG臭さをきちんと残していること。現在の技術を使えば、リアルに作ろうと思えば全体をもっとリアルに作れちゃう。でもこの映画はそれを抑えて、あえて3DCGの臭いを付けてある。こうして現実の世界と一歩距離を置くことで、子供部屋のオモチャたちが動いたりおしゃべりしたりする物語に、作り物のリアリティを生み出しているのです。

 前作は「オモチャが動く」というそれだけの話で楽しませてくれましたが、今回はもう少しテーマに深みがある。僕は今回の映画を観て泣いちゃったんだけど、それは自分が昔持っていたオモチャたちを思い出してのことだった。子供の頃に夢中になって遊んだオモチャも、子供が成長すればただのガラクタになって、いずれは捨てられてしまう。オモチャは基本的に使い捨てなのです。ウッディやバズも、いずれはアンディに飽きられて捨てられてしまうかもしれない。今回の映画には世界的なオモチャ・コレクターというのが登場して、本来なら捨てられてしまうオモチャに永遠の命を約束するのです。

 この映画が上手いのは、話の構造が二重になっていて、大人も子供も楽しめるからです。子供にとって今回の映画は、誘拐されたウッディが仲間の助けを借りてアンディの家まで戻る話です。大人にとっては、自分が子供の頃に遊んだオモチャたちに思いを巡らして、「オモチャたちよ、遊んでくれてありがとう」と思える話になっている。いずれにせよ、ここにあるテーマは「オモチャ万歳」です。物語を二重に楽しみながら、それぞれが同じテーマを持った話になっている楽しさと面白さ。

 今回はウッディの過去が明らかにされたり、昔の仲間が登場したりします。新キャラのカウガール、ジェシーが可愛い。声を当てているのはジョーン・キューザック。ミュージカルシーンではサラ・マクラクランがジェシー役で登場します(これが泣かせる)。他にもマテル社のバービー人形が大群で登場したりして、かなりすごい状態になってます。パロディも満載。『スター・ウォーズ』や『ジュラシック・パーク』など、有名どころが揃っているので映画ファンなら思わず爆笑です。

 とにかく、大人も子供も楽しめる傑作です。試写では本編の前にピクサーのロゴの元にもなった短編CGアニメを上映してましたが、これは劇場でもやるのかな?

(原題:TOY STORY 2)


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