1999/07/14 シネカノン試写室
『L. A. コンフィデンシャル』もきっとお手本にしたであろう警察ドラマ。
主人公の孤独な戦いをじっくりと描いた傑作。by K. Hattori
フリッツ・ラングが1953年に監督した、ハードボイルド・タッチの警察ドラマ。警察の腐敗をテーマにしている点や、ひとりの警官の死が物語の発端になっている点は、『L. A. コンフィデンシャル』を彷彿とさせる。しかしこの映画の方が、それよりもはるかに簡潔で力強い。この簡潔さと力強さは、ひとりの主人公が事件を追う様子をひたすら追う単線構成によるもの。複数の主人公を併走させる『L. A. コンフィデンシャル』とは単純に比較できないのだが、誰が観てもわかりやすくて面白いという点では、フリッツ・ラングの古風なスタイルに軍配が上がるかもしれない。