真夜中のサバナ

1998/01/26 丸の内ピカデリー
(完成披露試写)
すいません、寝てしまいました。次回はちゃんと寝ないで観ます。
クリント・イーストウッドの最新作ですけどね……。by K. Hattori



 アメリカ南部ジョージア州の都市サバナは、歴史的な建造物が残る古い町であり、数々の映画ロケにも使われた風光明媚な街並みは、観光地としても多くのアメリカ人を引き付けている。「ムーン・リバー」や「酒とバラの日々」などのスタンダード曲で知られる作詞家、ジョニー・マーサーの出身地でもある。そして今は、ジョン・ベレントのノンフィクション小説「真夜中のサバナ」の舞台として、超有名な町になっている。それは、クリスマス・パーティーの夜に起った、1件の殺人事件がすべての発端だった。陽気で快活に思われたサバナの町の裏側が、この事件を通して少しずつ明らかになってくるのだ。この映画は、原作に描かれた事件を、事件のあったその場所で撮影している。原作に登場する本人が自分自身の役で登場している様子などは、きっと原作の読者にはたまらない内容なんでしょうね。

 体調が悪かったせいか、単に朝からコーヒー断ちをしていたせいかは知りませんが、ひどく眠くて、途中1時間ぐらいは寝てました。2時間半の映画なんで、それでも半分は観ていますが、内容のつながりが良く分からないので、今回は映画の評価をパスします。また別の機会に、今度はちゃんと寝ないで試写を観ることにします。

 というわけで、今回は寝ていてもわかる、映画のディテールや演出などについて少し書いておくことにする。サバナがジョニー・マーサーの出身地ということもあり、映画のサントラにはマーサーの曲がいっぱい。イーストウッドはジャズが好きですから、選曲作業はさぞや楽しかったことでしょう。参加ミュージシャンや歌手も多彩で、出演している俳優が歌っている例も多い。ケヴィン・スペイシーが「ザット・オールド・ブラック・マジック」を歌ったり、アリソン・イーストウッドが「振っても晴れても」を歌ったり……。サントラにはイーストウッド監督自身がボーカルをつとめる「アクセンチュエイト・ザ・ポジティブ」が収録されているようですが、イーストウッドは今回映画に出演していないので、これは彼のお遊びでしょうね。映画のオープニングを飾るテーマ曲は、k.d.ラングが歌う「スカイラーク」。

 実在の事件を扱った映画なので、すべてモデルになった場所や人物があるわけですが、この映画ではそうしたゆかりの場所で実際にロケ撮影しているのが面白いし、見どころになっています。主人公ジム・ウィリアムズが住むマーサー邸(ジョニー・マーサーの曾祖父、ヒュー・マーサー将軍が建てた屋敷)は、実物を使って撮影されたもの。ウィリアムの弁護士、ソニー・サイラーの事務所も、実際に本人の事務所を使って撮影されている。事件に関わった人たちのほとんどは、いまだ存命中ですが、それでこれだけの映画を作ることに積極的に協力しているんだから、アメリカ人て大らかだよね。

 イーストウッド監督の娘、アリシア・イーストウッドが、前作『目撃』に引き続き映画出演。今回はかなり大きな役になってます。今後の活躍に期待しましょう。

(原題:MIDNIGHT IN THE GARDEN OF GOOD AND EVIL)



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