ストリートファイター

1995/05/07 スカラ座
オウム事件を彷彿とさせるアイテムの数々に思わず苦笑。
名優ラウル・ジュリアの遺作となった映画。by K. Hattori



 アジアの某国。最新兵器で武装した狂信的集団。カリスマとして君臨する首領は、自らの思想を背景にした世界征服を夢見、それが世界の平和と人民の幸福につながると信じている。周囲の側近には、そんな彼のビジョンに共鳴する者もいるが、経済的な野心から彼に従う者もいる。

 首領は目的のために、手段を選ばない。闇ルートからの武器購入、麻薬売買による資金づくり、あげくは地下室に人々を拉致監禁。世界各国から科学者を集め、最先端の研究開発活動を行わせている。DNA培養やハイテク洗脳装置を使い、拉致した人間を狂信的な兵士に作り上げもする。迷路のような地下通路。捜索隊が入ってくればガス攻撃。そして驚くべきことに、この首領は空も飛べるのだ。これだけ自由に空を飛ぶためには、かなりの習練が必要だったに違いない。

 これは映画を使った怪文書だ。映画は昨今巷にぎわせているオウム事件について描いているとしか思えない。つまり、バイソン将軍こそ麻原彰晃その人なのである。今となっては当たり前のように語られているオウム教団の内面が、ここまで緻密に描かれているところを見ると、どうやらこの映画の企画には、オウム関係者が関わっていたと考えるのが自然だろう。あるいは立花隆風に、公安関係者の情報がこの映画を作らしめたと考えることもできるはずだ。僕が思うに、この映画はおそらくオウム脱会者がプロットを書き、それをハリウッドの脚本家が映画用に脚色したものだと思う。内容はほぼ事実だろう。

 映画はバイソン軍(つまりオウム教)の崩壊までを描いている。つまり、いかにすればオウムを壊滅状態に追い込めるかが描かれていると言ってもいい。まさに、警察公安関係者には、必見の映画だ。映画の中には、今までほとんど報道されていない、恐るべき新事実がいくつか描かれている。マスコミはもっとこの事実に注目すべきである。

 まず、麻原氏が空中浮遊できるのは、ヨガの修行によるものではないことが明らかになる。あれはリニアモーターの技術を使ったものなのだ。また、ハイテクを使った人体蘇生装置の存在は見逃せない。世間では麻原教祖重病説が流れているが、映画に描かれていることこそが真実である。彼は強靭な肉体を持つ格闘技の名手で、仮に死んでも薬物と電気ショックで蘇ることができる。映画には描かれていないが、おそらく彼の格闘技の原型は、古代密教の暗殺団に伝わる秘技を洗練させたものだろう。

 警察は直ちに現在の捜査態勢を見直し、ジャン=クロード・ヴァンダムを捜索隊長に任命すべきだ。彼の部下には、映画のモデルにもなった小錦関に加え、400戦全勝、世界最強の格闘王ヒクソン・グレイシーをつけてくれると嬉しい。これで勝てる!



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