アンダーワールド

覚醒

IN 3D

2012/02/07 SPE試写室
2006年の『アンダーワールド:エボリューション』の続編。
シリーズ初の3D作品。by K. Hattori

Uw_kakusei  ケイト・ベッキンセール主演の人気シリーズ第4弾。前作『アンダーワールド ビギンズ』は1・2作の前日譚(プリクエル)だったので、今回の『覚醒』は2作目以降足踏みしていた物語が再起動することになる。3作目の『ビギンズ』ではヒロインがケイト・ベッキンセールからローナ・ミトラに交代していたので、ベッキンセールが演じるセリーンの登場は2006年の『アンダーワールド:エボリューション』以来。しかし物語の中では時間が少し飛んで、10数年がたったことになっている。

 人間たちに知られることなく長い抗争を繰り返してきたヴァンパイア(吸血鬼族)とライカン(狼男族)だったが、その存在が人間に知られた時、人間たちは2つの種族共通の脅威となった。化学兵器で武装した人間たちは闇の中で暮らしてきたヴァンパイアとライカンを白日の下に引きずり出し、徹底した殺戮を行って行く。この浄化作戦を避けようとしたセリーンとマイケルは人間たちに捕らえられ、軍需企業アンティジェン社の研究施設で生きたまま冷凍されていた。捕らえられてから12年後に目覚め、施設を脱走したセリーンは、ヴァンパイアとライカンが人目を避けてひっそりと地下世界に暮らしている事実を知る。そして出会ったのは、冷凍睡眠中に産み落とされた自分とマイケルの娘イヴ。セリーンとイヴを取り戻すためアンティジェン社は追っ手を差し向けるが、なぜかそれは人間の軍隊ではなくライカンの群れだった……。

 上映時間は1時間半でコンパクト。ヴァンパイアとライカンの過去の歴史や因縁といった過去3作にあった要素は消え去り、今回の映画で繰り広げられるのはヴァンパイアとライカンと人間が繰り広げる三つ巴のバトルだ。その中心にはマイケルとセリーンがいて、今回からはふたりの娘イヴが加わる。筋立てはとてもシンプルだ。捕らえられたセリーンが脱出するのが第1幕。匿われていたヴァンパイア族の隠れ家を、ライカンたちが襲って娘イヴが誘拐されるまでが第2幕。そして第3幕では、セリーンが人間の刑事と協力してイヴを救出する。アクションシーンはそれぞれ明確にコンセプトが異なっていて、第1幕は武器を持たないセリーンが単身で危機を脱するまでを描き、第2幕は圧倒的な腕力で迫るライカン軍団にヴァンパイア軍団がさまざまな武器で対抗する大乱闘となり、第3幕はヒロインひとりが多数の敵と戦って倒しつつ、最後に巨大な敵と一騎打ちとなるクライマックス。

 今回の映画ではマイケルがほとんど出てこないのだが、このシリーズは最初からマイケルにあまり魅力がないというのが僕の正直な感想だ。新たに登場するイヴは、セリーンが守るべき対象であり、同時に強力なパワーの持ち主でもあるという、かつてマイケルが果たしていた役割をそのまま継承しているキャラクター。これは実質的に、マイケルが降板してイヴが新登板したようなものだ。

(原題:Underworld: Awakening)

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2月24日公開予定 TOHOシネマズ六本木ヒルズ
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
2012年|1時間28分|アメリカ|カラー|スコープサイズ|ドルビーデジタル、DTS、SDDS
関連ホームページ:http://www.underworld-kakusei.jp/
関連ホームページ:The Internet Movie Database (IMDb)
サントラCD:Underworld: Awakening
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