龍神マブヤー THE MOVIE

七つのマブイ

2012/02/05 シネマスクエアとうきゅう
知る人ぞ知る沖縄ローカルヒーロー番組の劇場版が全国公開。
キャスティングは豪華全国区の顔ぶれだ。by K. Hattori

Mabuya  2008年から放送が開始された沖縄のローカルヒーロー番組「琉神マブヤー」の劇場版。琉神マブヤー、龍神ガナシーといった正義のヒーローや、悪の軍団マジムンのハブデービル、オニヒトデービル、マングーチュといったキャラクターはテレビ版を引継ぎながら、物語やキャストは新たに仕切り直したオリジナルストーリーになっている。もともとこのシリーズはテレビ版でも1と2と外伝で物語の設定が異なったり、配役を入れ替えたりしているので、こうした仕切り直し自体は一向に構わないものなのかもしれない。マブヤーは沖縄の空港売店や土産物ショップ、スーパーのおもちゃ売り場などにもグッズを売っていたりする、沖縄限定ながらかなりメジャーなキャラクター。ローカルヒーローやご当地キャラというのはそれなりに存在するようだが、劇場映画になるのはこれが初めてではないだろうか。

 かつて沖縄の人々を苦しめていた悪の軍団マジムンが復活し、再び沖縄を征服しようと活動を開始する。ヒーローショーの脇役をしているウルマは町にやって来たマジムンと運悪く出くわし、投げ飛ばされて失神。だが意識を取り戻した時、ウルマの中にはニライカナイの勇者、琉神マブヤーの魂が宿っていた。一方マジムンの首領ハブデービルは海からジンベーダーを呼び出し、沖縄の人々に宿る7つのマブイを奪うことで、沖縄を支配しようとする。マブヤーは琉神ザイオンと共に、マジムンたちの企みを阻止しようとするのだった。

 映画になったらマジムン軍団の戦闘員クーバーの数が数十人に増えたり、アクションの切れがグレードアップして迫力が増したりするのかと思ったら、そうした期待には一切応えることなくテレビ版同様の小規模な戦いが続く。ただしキャスティングはかなりアップグレード。琉神マブヤーに変身するウルマ役は山田親太朗(山田優の弟)。龍神ガナシーに変身するサイオン役はDA PUMPのリーダーISSA。ヒロインのアイリを福本幸子(昨年末にISSAと婚約)が演じ、マジムンの首領ハブデービルをガレッジセールのゴリが演じている。他にも仲間由紀恵がワンシーンだけゲスト出演するなど、沖縄出身タレント総出演の映画になっている。テレビ版が沖縄出身で沖縄ローカルで活躍しているタレントたちによる番組だとすれば、この映画版は沖縄出身で全国区の活躍を見せているタレントたちによる作品なのだ。

 悪の軍団マジムンが「とりあえず世界征服とか言わずに、まずは沖縄征服ぐらいから」とへんに堅実だったり、マブヤーの力を得たくせにウルマが「僕はヒーローに向いてない。むしろサイオンさんがかっこいい!」と控え目な性格だったり、全体的に脱力感満載の映画ではある。しかしこの肩の力が抜けきった感じも、「琉神マブヤー」という作品のカラーではあるのだろう。個人的には凰神カナミーが出ていないのが残念。映画版の続編が作られたら出てくるかなぁ……。

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2011年10月29日公開 沖縄先行
2012年1月7日公開 全国ロードショー
配給:アスミック・エース 宣伝協力:シナジー・リレーションズ
2011年|1時間36分|日本|カラー|ビスタサイズ|DTS-SR
関連ホームページ:http://www.mabuyer.jp/
関連ホームページ:The Internet Movie Database (IMDb)
サントラCD:琉神マブヤーTHE MOVIE~七つのマブイ~
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