逆襲!スケ番☆ハンターズ

地獄の決闘

2010/03/09 TCC試写室
亜紗美主演の『スケ番☆ハンターズ』第2弾。
今度はマカロニ・ウェスタン調。by K. Hattori

Sukeban2  ヤクザ相手のケンカでも一歩もひるまず、周囲から「ヤクザハンター」と呼ばれていたアサミが3年ぶりに町に戻ってきた。だがその間に、町の様子は一変している。大型の賭場を作るためヤクザが周辺を地上げし、わずかに残っている住民たちを暴力で脅していたのだ。アサミは顔なじみのバーのマスターに紹介されて、昔は同じようなスケ番だったという美樹の家に居候することに。だがヤクザたちはアメリカから冷酷な女殺し屋アキラを呼び寄せ、地上げの最後の仕上げに取りかかる。バーは放火され、美樹と彼女の子供も殺された。アサミはヤクザたち相手に、ついに最後の戦いに挑む。待ち受けているのは生か死か!

 『爆発!スケ番☆ハンターズ/総括殴り込み作戦』の姉妹編。続編というわけではなく、同じコンセプトで作られながらも独立した別の映画になっている。主演の亜紗美はそのままだし、周囲の主だった出演者たちの顔ぶれも共通していたりするのだが、話としての連続性はない。こういうのは昔のプログラムピクチャーではよくあったのだが、この映画では意図的にそうしたプログラムピクチャーの手法を模倣しているのだ。

 直前に観た『爆発!〜総括殴り込み作戦』は観ている途中でウトウトしてしまったが、それが映画の内容によるものなのか、僕自身の体調によるものなのかはよくわからない。しかしこちらの『逆襲!〜地獄の決闘』はじつに面白かった。こちらは作品の狙いが明確なのだ。サブタイトルからわかるように、これは往年のマカロニ・ウェスタンの再現でもある。『地獄の決闘』はセルジオ・レオーネの名作『続・夕陽のガンマン』が日本で劇場公開された際の副題なのだ(ただし正確な表記は『地獄の決斗』)。『続・夕陽のガンマン』は最後にイーストウッド、リー・ヴァン・クリーフ、イーライ・ウォラックが三つ巴のガンファイトをするシーンが有名なのだが、それにオマージュを捧げた本作『逆襲!スケ番☆ハンターズ/地獄の決闘』でも、ラストは亜紗美と三輪ひとみの一騎打ちとなり、マカロニ風の音楽が流れて場を盛り上げる。他のシーンでは画面がビスタサイズなのに、このシーンだけ画面上下をトリミングしてシネスコにしているのも楽しい。

 もう少し予算があればよりマカロニ色の強いアクションシーンなども盛り込めたのだろうが、それができないまま形だけなぞっているシーンもあるのはご愛敬。助っ人の男がダイナマイトでヤクザの事務所を襲うシーンは、効果音に合わせてカメラを振るだけでなく、何度か実際にダイナマイトを爆発させるシーンが挿入できると迫力が増しただろう。火をつけては投げつけられるダイナマイトをかわしながらアキラが走り、日本刀一閃相手をぶった切るとかね。

 主人公とライバルの関係で言えば、アサミとアキラの両方が無口な戦う女になってしまったのがちょっと残念。

夏公開予定 シアターN渋谷
配給:ユナイテッドエンタテインメント
2010年|1時間23分|日本|カラー|ビスタ
関連ホームページ:http://www.hunters-movie.com/
関連ホームページ:The Internet Movie Database (IMDb)
DVD:逆襲!スケ番☆ハンターズ/地獄の決闘
関連DVD:奥田真一監督
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