ハンナ&バーベラの人気アニメシリーズ「スクービー・ドゥー」の実写版映画第2弾。スタッフとキャストの主だったところは一昨年の前作をそのまま引き継いでいるが、日進月歩のCG技術で主役のスクービーやモンスターたちがよりリアルなものになっている。今回の映画では着ぐるみで作ったモンスターたちを“博物館”で見せておき、その後にCG製のリアルなモンスターを見せるという二段構え。デジタル技術を使って、アニメの動きをそのまま再現したシーンも楽しくなってくる。足下の床がパカリと開いた後で、少し時間の間があってからジタバタしながら落っこちるとか、球形の巨大な檻の中に閉じこめられてゴロゴロ転がるとか、ワイヤーや特撮で作ればえらく大がかりになるシーンも、デジタル技術ならほらこの通り……というわけだ。
モンスター社のこれまでの業績を展示する「犯罪学博物館」が完成。しかしその会場に現れた仮面の男とプテロ・ゴーストによって、会場はメチャクチャに破壊され、しかも数体のモンスターが盗まれてしまう。モンスター社の評判はがた落ち。この事件で仲間たちの足を引っ張ってしまったシャギーとスクービーは、自分たちで事件を解決しようと捜査を開始する。一方残りのメンバーは現場に残された手がかりから、事件が街郊外の廃鉱山につながりを持っていると推理するのだが……。
ミステリー社の面々4人(+1匹)の中でもっとも影が薄いのは、ミステリー社の頭脳とも言うべきヴェルマ。演じているリンダ・カーデリーニも、フレディー・プリンズ,Jr.、サラ・ミシェル・ゲラー、マシュー・リラードといった俳優たちに比べると、ちょっとマイナーな印象が……。今回はそんなヴェルマに恋愛騒動が持ち上がり、一躍彼女にスポットライトが当たるという仕掛けが用意されている。そのお相手になるのは、『オースティン・パワーズ』シリーズのジュニア役でお馴染みのセス・グリーン。今回の映画は他のゲストとして、ピーター・ボイル、ティム・ブレイク・ネルソン、アリシア・シルバーストーンなどが出演している。シルバーストーン嬢とは久々の再会。かつては飛ぶ鳥を落とす勢いの人気アイドルだったのに、今ではこんな役か。『エース・ベンチュラ』のショーン・ヤングを思い出してしまった。でもそんな彼女のポジションが、ミステリー社の人気を妬んで意地悪するレポーターという設定の中で生かされている。
今回の映画ではシャギーとヴェルマのエピソードが大きくふくらんでいるのに対して、ミステリー社のリーダー格であるフレッドとダフネのエピソードはあまりない。今回このふたりはアクション担当。黒騎士ゴーストを相手にダフネがチャンバラをしたり、同じ黒騎士相手にフレッドが槍試合を挑む場面はかっこいい。こうした活劇が、映画全体のいいスパイスになっていると思う。前作同様、なかなか楽しい映画でした。
(原題:Scooby-doo 2: Monsters unleashed)
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