『マイ・ドッグ・スキップ』のフランキー・ムニッズが主演した、ティーン向けのスパイ・アクション映画。主人公コーディ・バンクスは、公立校に通うごく普通の15歳。だが彼には、CIAの極秘エージェントというもうひとつの顔がある。CIAから彼に初めて下された秘密指令は、なんと同い年の女の子をナンパすることだった。
名門私立学校に通うナタリーという少女の父コナーズ博士は、世界的なナノマシンの研究者。彼が開発した最新鋭のナノロボットを使って、悪の組織のボスが大規模なテロを企てている。コーディはナタリーと親しくなって彼女の誕生パーティに招待され、博士宅の一角にある研究施設を探らなければならない。だがじつのところ、コーディは女性の前ではほとんどまともに口をきけないはにかみ屋だったのだ。ナタリーの前で動作も口調も思い切りギクシャクするコーディは、はたして彼女のハートを射止めて無事パーティに招待されるのだろうか……。
映画は007シリーズのドラマ構成をそっくり借りている。最初に大きなアクションシーンがあって、主人公のスーパーマンぶりを観客にアピール。その後は悪党たちの悪巧みがあり、諜報組織が主人公を敵方に潜入させることを決定。その手引きをするのは、セクシーな女性エージェント。主人公はこのエージェントと仲良くなりつつ、身分を偽って敵側の美女とも仲良くなる。このときなぜか、偽名は使わず本名を名乗っている。間もなく当初の任務は無事に成功するが、敵側の首領に正体がばれて仲良くなった美女は人質に。主人公は組織上層部の反対を押し切って、彼女を救うべく単身で敵の本拠地へ。最後は敵の秘密基地を破壊して美女と脱出し、諜報部から次の指令が入った頃は海辺で美女とイチャイチャ……。『エージェント・コーディ』は、最初から最後まで完全にこのパターンを踏襲している。
監督はリブ・タイラー主演のコメディ映画『ジュエルに気をつけろ!』のハラルド・ズワルト。『ジュエル〜』はさして面白い映画とは思えなかったが、もともとピーター・ストーメア主演の本格スパイ映画『ハミルトン』で注目された人。この手のスパイ映画は得意なのかもしれない。子供が主役のスパイ・コメディには『スパイ・キッズ』があるけれど、『スパイ・キッズ』が007映画の荒唐無稽なメカとアクションを発展進化させたものだとすれば、この『エージェント・コーディ』はもう少しシリアスな初期のボンド映画みたいな雰囲気かも。
アメリカでは大ヒットして、既に続編『Agent Cody Banks 2: Destination London』が公開されている。ナタリー役のヒラリー・ダフや、美人エージェントのロニカを演じたアンジー・ハーモンは残念ながら降板。でもネットで予告編を観る限り、これも結構そそります。ぜひ日本でも公開してくれ!
(原題:Agent Cody Banks)
DVD:エージェント・コーディ
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