ターミネーター3

2003/08/20 渋東シネタワー4
アーノルド・シュワルツェネッガー主演の人気SFアクション第3弾。
物語の骨格は第1作目に戻ったように思う。by K. Hattori

 アーノルド・シュワルツェネッガー主演の人気シリーズ第3弾は、前作から12年たってスタッフとキャストが大きく入れ替えられた。主演のシュワルツェネッガーはそのままだが、前作まで監督・脚本を務めていたジェームズ・キャメロンが今回は降板して、監督は『U-571』のジョナサン・モストウに交代。1,2作目でサラ・コナーを演じたリンダ・ハミルトンも、前作で少年時代のジョン・コナーを演じたエドワード・ファーロングも、今回はまったく顔を見せない。成長したジョン役は『イン・ザ・ベッドルーム』のニック・スタールに交代している。強敵となる女性型サイボーグT-Xを演じるのは、スーパーモデル出身のクリスタナ・ローケン。ジョンと行動を共にするヒロイン役でクレア・デーンズが出演している。

 『ターミネーター2』に描かれたドラマで「審判の日」は避けられたかに見えたが、未来はそう簡単には変わってくれなかった。人間軍のリーダーであるジョン・コナーの過去を抹殺することに相次いで失敗したマシン軍団だが、今度は過去にさかのぼってジョンの部下たちを殺す作戦に出た。現代に送り込まれた最新の女性型ターミネーターT-Xは、やがてジョンの副官となるケイト・ブリュースターを殺すために、彼女の勤めるロサンゼルスの動物病院を襲撃。偶然その場に居合わせたジョン・コナーは、ケイトの手を取って新型のT-Xから逃げるのだが……。

 今回の映画はストーリーの上で、1作目の『ターミネーター』を強く意識している。未来に希望と夢以外の何も持たない若い女性が、突然殺人マシーンに襲われて逃げ回るが、彼女は助けてくれた男から未来に起きることを聞かされると、自分自身の運命に立ち向かう決意をする。つまり1作目のヒロイン、サラ・コナーが、ケイト・ブリュースターの原型になっていることは間違いない。彼女が銃を取って戦い始めたとき、ジョンが「母さんそっくり!」と言うのも無理はないのだ。前作では旧型ターミネーターと新型のT-1000が互角程度の戦いをしたが、今回は旧型と新型との間に埋めがたい大きな性能差があるという設定。シュワルツェネッガー演じるターミネーターは前作以上に人間味を増し、最後には善と悪との間で葛藤を演じてますます人間臭くなっていく。こうして旧型ターミネーターは、1作目のカイル・リースと同じポジションを確保する。下半身をもぎ取られたT-Xが上半身だけでずるずると這い回るシーンは、『ターミネーター』のラストシーンをそのまま踏襲したものだ。

 クレーン車を使った町を破壊しながらのカーチェイスや、ターミネーター同士がトイレをぶっ壊して乱闘するシーンなど見せ場は多い。スカイネット始動のきっかけになるウィルス騒ぎは、ちょうど同時期にWindowsのウィルス騒ぎがあったこともあり、妙に生々しく感じてしまった。ところで次回作は作れるのか?

(原題:Terminator 3: Rise of the Machines)

7月12日公開 日劇1他・全国東宝洋画系
配給:東宝東和
(2003年|1時間50分|アメリカ)
ホームページ:
http://www.t3-jp.com/

DVD:ターミネーター3
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