スパイキッズ2
失われた夢の島

2002/08/22 丸の内プラゼール
ロバート・ロドリゲス監督のファミリー向けアクションコメディ第2弾。
今回はレイ・ハリーハウゼンへのオマージュだ。by K. Hattori

 昨年公開されたファミリー向けのアクション・コメディ映画『スパイキッズ』のパート2。主人公コルテス・ファミリーを演じるアントニオ・バンデラス、カーラ・グギノ、アレク・ヴェガ、ダリル・サバラや、重要な脇役ダニー・トレホ、チーチ・マリンなどの配役はそのままに、さらなる奇想天外な活躍を描いている。今回はカルメン&ジュニ・コルテスのスパイキッズ・コンビに、ゲイリー&ガーティ・ギグルズという強力なライバルが出現。しかもこのライバル・スパイキッズの父親ダナゴン・ギグルズは、バンデラス扮するグレゴリオ・コルテスとスパイ組織OSSの局長の座を争う宿命のライバル同士。親子二代でライバルなのだから、これは当然火花散る戦いになる。

 今回はスパイキッズたちが最新ツールを手に、遺伝子操作で生まれたモンスターたちの住む不思議な島で大冒険を繰り広げるのだが、話はほとんど『劇場版・ドラえもん』と同じノリ。島には自分の作った巨大生物たちが恐ろしくなって姿を隠している、心優しく気の弱いマッドサイエンティストがいる。演じているのは『デスペラード』でロドリゲス&バンデラス映画に出演済みのスティーブ・ブシェミ。子供たちは島に隠された秘密兵器を確保するため、モンスターたちの襲撃を避けながら巨大ピラミッドに向かう。ただし頼りの最新ハイテクツールは、特殊な装置ですべて無力化されている。子供たちは自分たちの知恵と体力の限りを尽くして、目の前の難問を片づけて行かねばならない。そして最後は、やっぱりハイテクツールを使って悪党たちをやっつける。

 今回の映画は日本語吹替え版も同時公開されるので、夏休み映画に行きそびれたお父さんお母さんは子供を連れて映画館に行ってもいいだろう。やたらと爆発が起きるとか、やたらと血が飛び散るとか、やたらに人が死ぬといったバイオレンス描写は皆無。それでいて十分に楽しい映画に仕上がっているのは、前作とまったく同じだ。荒唐無稽な設定とアイデア満載のハイテクツールにワクワクドキドキしながら、子供たちが大人顔負けの活躍をする姿を楽しめる。

 子供たちがハイテク装備で大人に負けない活躍をするのが前作のコンセプトだったわけだが、今回はそれに加えて次々登場するモンスターというお楽しみがある。登場するキメラ生物やドクロ軍団は明らかにレイ・ハリーハウゼンのダイナメーションを意識したもの。サム・ライミもかつて映画にドクロ軍団を登場させていたけど、ロドリゲス監督もテレビでさんざんハリーハウゼン映画を観て育ったクチですな。

 前作ではパパママコンビの活躍も大きな見せ場になっていたけれど、今回はお子様たちに大きなスポットを当てて大人たちは形無し。それでも祖父母を登場させてホームドラマ要素を膨らませるなど工夫が見える。ママのお父さんはMGMミュージカル映画のラテン野郎、リカルド・モンタルバンですって!

(原題:SPYKIDS 2: THE ISLAND OF LOST DREAMS)

2002年9月7日公開予定 丸の内プラゼール他・全国東宝洋画系
配給:UIP
(2002年|1時間40分|アメリカ)

ホームページ:http://www.spykids2.jp/

Amazon.co.jp アソシエイトDVD:スパイキッズ2/失われた夢の島
サントラCD:SPY KIDS 2
前作DVD:スパイキッズ
関連DVD:ロバート・ロドリゲス監督
関連DVD:アントニオ・バンデラス
関連DVD:カーラ・グギノ

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