ニューヨークの恋人

2002/02/26 メディアボックス試写室
メグ・ライアンとヒュー・ジャックマン主演のロマンチック・コメディ。
19世紀からやってきた男とキャリアウーマンの恋。by K. Hattori

 かつて「ロマコメの女王」の名をほしいままにしながら、ここ数年は不倫と離婚のスキャンダルばかりが目立ったメグ・ライアン。そんな彼女が、久しぶりに「ロマコメの女王」の健在ぶりをアピールしているのがこの映画だ。今回のメグ・ライアンはじつにチャーミング。私生活のゴタゴタなど微塵も感じさせない、可愛らしいヒロインを生き生きと演じています。さすが「ロマコメの女王」の座は伊達じゃない。そんな彼女の相手役は、『X−メン』や『ソード・フィッシュ』の男臭くハードな役柄から、アシュレイ・ジャッド主演のロマコメ『恋する遺伝子』の相手役まで、幅広い活躍を見せて注目されている注目株ヒュー・ジャックマン。「女王」の相手役だからというわけでもないでしょうが、彼の役柄は生粋の英国貴族です。しかも今から100年以上も過去からタイムスリップしてきた男を演じています。

 1876年のニューヨーク。英国の貧乏貴族レオポルド公爵は、花嫁選びのためニューヨークに来ている。彼の後見人たちは「持参金や財産目当て」に金持ちの令嬢を紹介するのだが、本人は「家柄目当て」の花嫁候補にウンザリ気味。しかしその夜開かれるパーティで、彼は花嫁候補を発表しなければならない羽目になる。いよいよパーティが始まった時、レオポルドは客の中に挙動不審な男を見つける。呼びかけにいきなり逃げ出した男を追跡したレオポルドは、男もろとも建設途中のブルックリン・ブリッジから転落。気が付くとそこは、21世紀のニューヨークだった。部屋の主は天才科学者のスチュアート。彼は空間の裂け目の発生時期と場所を数学的に割り出すことに成功し、いわば自然発生したタイムトンネルを通じて時間旅行をしていたのだ。トンネルの発生周期は1週間。レオポルドはそれまで1876年に戻ることができない。ところが階下に住んでいるケイトは、本当の説明を聞いても信じることができず、とりあえず彼を「売れない役者」だと信じ込む。

 ラブコメの面白味は、立場も考え方も違う男女が出会い、互いの相違に戸惑いながらも恋におちる部分にある。この映画では、メグ・ライアン扮するケイトが広告会社で働くバリバリのキャリア・ウーマンで、ヒュー・ジャックマン演じるレオポルドが19世紀の英国貴族という関係。ケイトは自分の保身と出世にしか頭がない現実派で、時間旅行など夢物語としか考えていない。一方のレオポルドは生活スタイルこそ古風だが、発明家としての顔も持つ科学者で、不測の事態にも臨機応変に対応する能力に長けた男だ。普通のラブコメで男女に振り分けられる役割と、一部入れ替わっている部分がある。過去からやってきた男が必ずしも保守的な考えの持ち主ではなく、現代のキャリア・ウーマンが必ずしも新しい考えに対応できるわけではないというのも面白い。

 監督は『コップ・ランド』『17歳のカルテ』のジェームズ・マンゴールド。スチュアート役はリーヴ・シュレイバー。秘書役でナターシャ・リオンが出演。

(原題:KATE & LEOPOLD)

2002年初夏公開予定 日比谷スカラ座他・全国東宝洋画系
配給:ギャガ、ヒューマックス共同配給 宣伝:オメガ・エンタテインメント

(上映時間:1時間58分)

ホームページ:http://www.ny-love.com/

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