恋は負けない

2001/08/24 SPE試写室
ミーナ・スヴァーリをオヤジの手から取り戻せ!
いじめっ子3人組の性格が悪すぎ。by K. Hattori

 『アメリカン・パイ』で共演したミーナ・スヴァーリとジェイソン・ビッグス主演のラブコメディ。ただしこのふたり、『アメリカン・パイ』では同じシーンに登場したことがないそうです。続編『アメリカン・パイ2』はどうなってるのかな? スヴァーリはその後出演した『アメリカン・ビューティー』で、ケヴィン・スペイシーを魅了したオヤジ趣味の金髪チアガール役としても知られる。この2本の映画で一躍その名を高めた彼女は、昨年16歳も年上の映画カメラマン(『ケーブルガイ』などを撮ったロバート・ブリンクマン)と結婚して、世の男性ファンを大いに驚かせ、嘆かせた。なんと彼女のオヤジ趣味は、映画の中だけではなかったのだ。

 あ〜、ちくしょう。相手は俺より年上じゃねぇか。なんでそんなオヤジがいいんだよぉ……。そんな男性ファンたちの神経をさらに逆撫でするかのように、今回の映画でも彼女はオヤジ趣味に走ってます。相手は『恋する遺伝子』が待機中のグレッグ・キニア(38歳)。あ〜、まったく腹立たしい。いや、まてよ……。逆の見方をすれば、30代も半ばを過ぎた僕が、今後ミーナ・スヴァーリみたいなピチピチ(死語)のカワイコチャン(死語その2)と親しくおつき合いをする可能性もあるってことではないのか? こうして映画ファンの妄想は、現実世界を突き抜けて暴走していくのである……。

 小さな田舎町からニューヨークの大学に進学した青年ポールが、周囲の金持ち学生から受ける陰湿なイジメや嫌がらせにもめげず、幸せな青春生活をつかみ取るまでを描く青春ドラマ。いかにも貧乏そうでダサダサのポールは周囲から浮きまくり。だが文学で同じクラスを受講していたドーラだけは、彼に優しい声をかける。じつは彼女もアルバイトで学費を稼ぐ苦学生で、授業とバイトと自宅通勤の三点セットに毎日四苦八苦の日々なのだ。ポールはドーラに好意を持つが、やっとの事で親しくなった彼女からは「じつは文学部のオルコット教授と付き合ってるの」と衝撃の告白。でもポールは大好きなドーラの幸せを、影から見守ることに決めるのだ。

 原題は『LOSER』で、これはアメリカ映画の中で男性が投げかけられる最低の侮辱の言葉。字幕では「負け犬」と訳されることが多い。邦題はそれをひねって『恋は負けない』と気勢を上げるのだが、映画前半で見せるポールのへなちょこぶりには本当にいらいらさせられてしまった。この映画が都内の劇場で単館公開されるというのは、どう考えたってそのへんに原因がありそうだ。ニューヨークの大学に入学早々、ポールが受けるイジメと嫌がらせの洗礼。それがもうシャレにならないぐらいにジメジメと陰湿。ポールと寮で同室になる金持ちのどら息子3人組は最低。この映画の致命傷は、この3人組が当然受けるべきである因果応報の報いを、3人が映画の中では直接受けないところにあるのではないか。エピローグでその後どうなったか解説されても嬉しくないぞ。決着はやはり映画の中で付けてほしかった。

(原題:LOSER)

2001年10月6日公開予定 シネマ・メディアージュ
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
配給協力:メディアボックス
(上映時間:1時間35分)

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