「国家に軍隊は必要か?」「国土防衛や国民の安全を守るための武力行使は許されるか?」などという基本的なことに、そもそも疑問を持っているのは、世界広しといえども日本人ぐらいのものです。もちろんアメリカにだって「軍隊不要論」を唱える人はいるかもしれないけれど、議会でそれが話題になることなんてあり得ない。国家に軍隊は付き物で、国家の安全や権益を守るための武力行使は当然のことだとされている。問題は軍隊の有無や戦争の是非ではなく、軍隊をどのように使い、どんな戦争をするのかという細部にある。この映画の原題は『Rules of Engagement(交戦規定)』という。軍が銃を発砲するのは禁じられていない。だがそこに至る手順は厳格に決められているし、それを破れば罰せられる。これが世界各国の軍隊とのつき合い方だ。