女侠
夜叉の舞い

2000/06/15 東映第2試写室
V6の森田剛にレイプされた妃今日子の初主演映画。
スケバンなんて10年ぶりに観た。by K. Hattori


 試写室に入る前にプレスを受け取ったら、「本作品に主演しております妃今日子に関しましては、本作品以外での肖像を禁止させていただきます」と大書した紙が挟み込まれていた。一体全体、この物々しさはなんだ? ちなみにプレスには主演女優のプロフィールも書いてないし、過去の作品歴なども一切が不明。ひょっとして僕が知らないだけで、芸能マスコミの世界では妃今日子という女優はものすごく有名人なのか? こうした疑問を持ったまま映画を観たのだが、内容は正直言ってひどいものだった。それでも残るのは、妃今日子とは何者かという疑問。普通ならこんな映画、ひっそりと公開されてそのまま忘れ去られてしまうようなものでしょうに。でも試写の後、本屋で何気なく「噂の真相」を立ち読みしていて何となく腑に落ちた。じつはこの妃今日子という女優、ジャニーズ事務所所属の人気アイドルグループ・V6の森田剛を、強姦罪で刑事告訴しているのだ!

 インターネットで「妃今日子」を検索してみると、出てくる出てくる関連記事の数々。詳細については「噂の真相」やインターネットの記事を見ればいい話なので省きますが、なんだか不可解な話です。現在のところ、妃今日子サイドは森田剛らを強姦罪と強制猥褻罪で告訴、ジャニーズ事務所側は妃今日子の所属事務所社長らを恐喝罪と傷害罪で告訴し、妃今日子本人が名誉毀損で訴えられる可能性もあるらしい。(情報が少し古いので、現時点でどうなっているのかはわからない。)ネプチューンのレイプ疑惑も結局はうやむやになってしまったし、密室の中での出来事は結局のところ藪の中。この事件がどういう結論になるのかはまったくわからないが、結局は本人たちの証言しかないわけだから、最後はうやむやになるんでしょうね。

 こうした事件は映画とまったく無関係なようでもあるのですが、うがった見方をすれば、こうしたスキャンダルが「妃今日子のアピールになる」「映画の宣伝になる」と考えた上での作戦だと思えないわけでもない。二流三流のセクシーアイドルが、有名男性タレントとのスキャンダルを肥やしにメジャーになるのは「羽賀桜庭騒動」でも立証されている。レイプの有無は、ここでは関係ないのです。事件は実際にあったのかもしれない。でも人気タレントが多少行儀の悪いことをしたとしたって、それが許されてしまうのが芸能界でしょう。ましてや相手は素人じゃない。同じ芸能界でメシを食っている同業者です。普通ならこんなことは表沙汰になりっこない。それをあえて映画公開前(映画撮影中?)という微妙な時期に表に出したのだから、これは「宣伝作戦か?」と疑われたってしょうがない。

 これで彼女の初主演映画である『夜叉の舞い』が傑作なら同情のひとつもしようという気持ちになりますが、中身はスケバンがヤクザの組長になりましたという馬鹿な話。取って付けたようなベッドシーンも噴飯もので、まったくお話になりません。本人には気の毒ですが……。


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