2000/03/06 東映第1試写室
銀行強盗に失敗した3人組が人質を取って行内に立てこもる。
監督は『踊る大捜査線』の本広克之。by K. Hattori
『踊る大捜査線 THE MOVIE』の本広克之監督が、期待を一身に受けて放つ最新作。銀行強盗に入った3人組が、段取りの悪さや銀行側の意外な対応から、銀行に閉じこめられて身動きがとれなくなってしまうという物語。この設定そのものは、まったく目新しさがない。世界中で何百本と作られた銀行強盗映画の何割かは、犯人たちが脱出路を失って人質たちと籠城することになる。籠城した犯人たちと人質との間には、やがてコミュニケーションが生まれる。これもまた、お決まりのパターン。ここまで決まり切ったパターンで攻めてくるからには、その後に何らかの仕掛けが用意されていると考えるのが人情。しかしこの映画、観客の期待に応えるだけの仕掛けがありません。多少のヒネリはあるのですが、そこから別の話が始まることなく、単なる目先の変化で終わっている。僕は『踊る大捜査線 THE MOVIE』をとても面白い映画だと思ったので、今回の新作にも非常に大きな期待をしていた。でもその期待は裏切られました。この映画、つまらなくはありません。でも面白くもないです。